レジンコンクリートの特徴

レジンコンクリートとは

レジンコンクリートとは、セメントや水を一切使わず、熱硬化性樹脂(レジン)を結合材として、砕石・砂・炭酸カルシウムを強固に固めたコンクリートです。結合樹脂には通常、硬化時間が自由に調整できる不飽和ポリエステル樹脂が用いられ、用途によって、エポキシ樹脂なども使用されています。

レジンコンクリートの特長

一般のセメントコンクリートと比較して、主に次の性能が優れています。

  • 硬化が早く、短期間で所定の強度が得られます
  • 高強度であり、接着性にも優れています
  • 緻密な材料であり水密性、絶縁性に優れています
  • 耐酸性に優れています

高強度で軽量

■高強度セメントコンクリートの4倍

レジンコンクリートは、熱硬化性樹脂(レジン)を結合材として使用しているため、 一般的なセメントコンクリート比べ約3倍から5倍高い強度を有しています。

レジンコンクリートは、熱硬化性樹脂(レジン)を結合材として使用しているため、 一般的なセメントコンクリート比べ約3倍から5倍高い強度を有しています。

破壊の様子

■軽量セメントコンクリート製品の1/3

高強度であるため、その分、壁厚の薄い、軽量でコンパクトな製品となります。 また、軽量化によってセメントコンクリート製品の約3分の1から2分の1の重量となり、トラック輸送のコストが低減される他、掘削土量や埋め戻し土量が15~30%程度低減できるメリットもあります。

■その他の特徴

・接着性  接着により完全一体化

接着剤はレジンコンクリート本体と同系統の樹脂を使用しているため、硬化後はレジンコンクリートと一体となり、接着部の強度は母材強度と同等となります。テストピースを半分に切断し、切断面を接着剤で接着し強度試験を行っても接着部が剥離することはありません。

接着曲げ強度試験

・水密性水を通さない

水密性が高く、容易に水を通しません。
<透水試験>
容器に中心にφ19mmの孔の開いた直径φ150mm×高さ300mmのレジンコンクリートを入れ、側面から2.0MPaの水圧をかけて、48時間後に中心から出てくる透水量の測定を行っています。3回繰り返し試験を行った結果、いずれも2.0MPa×48時間後の透水量はゼロでした。

・耐凍結融解性寒冷地にも強い

凍結融解作用とは、材料に含んだ水分に凍結および融解の繰り返しにより材料が劣化する現象をいい、水分を通し易いセメントコンクリートでは劣化の目安としてこの試験を行っています。下のグラフに示すように、ほとんど水分を通さないレジンコンクリートでは、動弾性係数の低下はみられません。

・耐酸性酸に強い

自然界における酸性土壌を想定し、55℃の温泉(PH1.5)に浸透した場合の強度低下の度合いを調査しました。その結果、レジンコンクリートはセメントコンクリートに比べ、優れた耐酸性を有することが確認されました。

・耐塩害性塩害に強い

下の写真は、レジンコンクリートとセメントコンクリートの試験体を用いて促進暴露試験を実施し2年後のコンクリート内部の様子を撮影したものです。レジンコンクリートはほとんど鉄筋の腐食が無いのに対し、むしろセメントコンクリートの方が広範囲にわたり鉄筋が腐食しています。

短納期・施工性により工期短縮

・速硬化性速く固まる

硬化剤の添加量により固める時間を調節することができ、通常は、混合開始から約30分で硬化開始するように設定されています。また、硬化開始後約60分で製品を型枠から取り出すことができ、型枠の回転率を高めることができます。 通常、一般的なセメントコンクリートでは養生期間は最低2週間程度必要ですが、レジンコンクリートの場合には、硬化後、常温保存1日で最終強度の80~90%まで達し、特別な養生装置も必要ありません。

・施工性大幅な工期短縮

あらかじめ工場で組み立てた製品を工事現場の掘削穴に据え付けるだけで済み、工期が格段に短縮します。 複雑な形状の構造物や大型構造物は、工事現場で型枠を組んで生コンクリートを打設し、養生期間を設けなければなりませんが、レジンコンクリートの場合には、あらかじめ分割した工場製品を現場で接着組立てし一体化することができるため、大幅な工期短縮が見込めます。

品質管理

2000年にISO9001の認証を取得し、『お客様に満足いただける製品を、より安く、タイムリーに提供する』ことを品質理念に掲げ製品品質の向上及び顧客サービスの向上に、全社員が一致団結して取り組んでいます。

JIS規格

「レジンコンクリートの試験方法」 JIS A 1181:2005
レジンコンクリートの試験方法がJISによって規定されています。

製品の設計方法

3次元有限要素法(FEM)により、製品の設計計算を行っています。
平成6年よりこの構造解析システムを導入し、20年以上の実績を積んでいます。
この手法により、複雑な形状品や開口等の影響を精度良く解析することが可能となり、
お客様の多様なニーズに対応した信頼性の高い設計を行っております。

構造解析によって得られた発生応力と変形状況(誇張)を表した例をご紹介します。構造物の変形とともに、長手壁開口まわりに高い応力が発生する様子がわかります。

自然と社会に優しい

・自然に優しい

環境ホルモンやダイオキシンを出しません。
主原料の樹脂は、地下資源の石油を有効利用しており、地上の自然を損ねません。
水を使わず、河川や地下水を汚しません。
軽量な製品は省資源化に貢献しています。

・社会に優しい

軽量なため、輸送トラックの台数が減り、交通障害や排気ガスも減らせます。
現場工程が少なく工期が短縮されるため、工事による地域住民への障害が最少で済みます。
省資源製品は、将来のリサイクル量も少なくて済みます。

・温室効果ガス排出を削減

製造時や、処分時の材料が少なくて済み、また地球温暖化の原因となる
炭酸ガスの発生量がセメントコンクリートに比べて低減できます。