水路補修パネル(サンパネル)
レジンコンクリートパネルによる水路補修工法
はじめに、現在多くの水利施設は戦後集中的に整備され、老朽化の進行や、耐用年数を迎え、今後も増加することから、既存施設の長寿命化を図る等保全管理が必要とされています。そこで、これらの既存水利ストックを活かす対策工法として、レジンコンクリートパネル(サンパネル)を設置する事が有効的と言えます。
サンパネル 諸元
サンパネルは不飽和ポリエステル樹脂を結合材として、炭酸カルシウム、砂、ガラス繊維などを混合し、高温でプレス成形したものです。
組成: | 樹脂、砂、炭酸カルシウム、ガラス繊維 |
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寸法・重量: | パネル原板寸法 1.015m×2.210m×厚み10㎜ 53㎏/枚(23㎏/㎡) |
強度: | 曲げ強度 20N/㎜²以上(試験値であり、保証値ではありません。) |
粗度係数: | 0.010以下(n=0.0096 農工研実測値) |
耐用年数: | 40年 |
技術情報登録: | 農林水産省「農業水利施設の補修・補強に関するマニュアル
【開水路補修編】(案)」品質規格適合品 農林水産省官民連携新技術研究開発事業採択工法 ARIC農業農村整備民間技術情報DB(NNTD) 登録NO.0284 一般社団法人 農業土木事業協会発刊 「農業水利施設保全補修ガイドブック」 |
サンパネル特性
①水流摩耗や物質透過に対する抵抗力に優れ、既設コンクリート表面への劣化因子の浸入を遮断できます。
②レジンコンクリートパネルは表面平滑性に優れるため、施工後の水路の通水機能を確保できます。(粗度係数; n=0.010以下)
③薄肉なレジンコンクリートパネルは切断や削孔が容易であり,低粘度な接着材はパネル背面の僅かな隙間にも充填できます。また、金属拡張式アンカー固定も容易です。各工法とも施工性に優れ、あらゆる断面形状の水路に対して適用可能です。
④老朽化した水路を壊す必要がなく、人力での施工が容易であり施工スピードが速いことから施工単価が安く、かつ耐用年数が
長いためライフサイクルコスト面でも安価です。
サンパネル(接着工法)施工手順(例)
①施工前準備工
既設水路施工面の洗浄、止水、不陸調整等を行います。
②プライマー塗布します。
既設管の下へ特殊部下床版を設置します。
③パネル設置工
割付け図に従って既設水路表面にアンカービスによってパネルを仮付けします。
④パネル目地工
パネル間の目地(隙間)に沿って目地材を充填します。
⑤接着剤注入工
既設水路表面とパネル背面の間に接着剤を注入します。
⑥仕上げ工
側壁パネルの天端面は目地材を盛付け斜めにすり付けます。
⑦完成
製品分類 | サンパネル(接着工法)施工事例 |
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形状寸法 | コンクリート製水路ほか 施工実績全国70か所以上 |
納入先 | 各地方農政局、各都道府県、各市町村 |
採用目的 | 水利施設の予防保全、老朽化対策や通水機能回復で採用。 |
製品分類 | サンパネル(金属拡張式アンカー工法)施工事例 |
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形状寸法 | コンクリート製水路他 施工実績全国20か所以上 |
納入先 | 各地方農政局、各都道府県、各市町村、民間水力発電所 |
採用目的 | 維持管理の軽減、長寿命化、通水機能回復で採用。 |
製品分類 | サンパネル(特殊工法)施工事例 |
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形状寸法 | 鋼矢板H2000 施工面積:261㎡ |
納入先 | 福岡県博多区 |
採用目的 | 鋼矢板の通水機能改善・老朽化対策に採用。 |